小学生の褒め方とは?子どもの心を育てる褒め方のコツ

子どもの褒め方のコツを解説 親子の教育

子どもは褒めることで育つとよく言われていますが、どのように褒めたらいいのか迷うことはないでしょうか。

子どもを褒めるために着目できるポイントや言葉のバリエーションはさまざまで、全てが効果的というわけではありません。

どのように子どもを褒めるかによって、自己肯定感や達成感をより高めることができます。

自己肯定感とは「自分が好きだ」「自分にはよいところがある」といったような自分を肯定する気持ちのこと。

文部科学省が教育再生実行会議において発行した資料「日本の子どもたちの自己肯定感が低い現状について」によると、自己肯定感が高い子ほど成績がよく、意欲的な意識が高いことが分かっています。

各教科の正答率が低い児童生徒ほど、「自分には、よいところがある」と回答した割合が低い。

達成感を感じたり、意欲的な意識等が低い児童生徒ほど、「自分には、よいところがある」、「今の自分が好きだ」と回答した割合が低い。

引用元:文部科学省「日本の子どもたちの自己肯定感が低い現状について」

今回は小学生が自己肯定感を高めるために効果的な褒め方のコツ、そして逆にNGな行動について解説をしていきます。

このページの要点をざっくりいうと

子どもの心を育てる褒め方とは?

子どもを褒めることによって自己肯定感を高めることができますが、褒めていれば何でもよいとは限りません。

親の基準で褒める、結果だけに注目して褒める、他の子と比較して褒める方法は子どもにとって逆効果な褒め方です。

子どもの心を育てるためには、子どもの褒めてほしいという気持ちに共感すること、表情や目線に注意して時には大げさに褒めること、子どもが頑張っていて自分も嬉しい!という気持ちを伝えることを心がけていきましょう。

褒め方によって小学生はどう変わる?

褒め方によってはどう変わる?

自己肯定感は自分だけで育てられるものではなく、誰かからの評価があってこそ伸びるものです。

しかし冒頭で引用をした資料「日本の子どもたちの自己肯定感が低い現状について」によると、日本人は他の外国に比べて自己肯定感が低い傾向があります。

日本の子どもたちの自己肯定感(自分に対する肯定的な意識)は諸外国に比べ低い状況であるが、前回調査に比べると肯定的な回答が増加し、否定的な回答が減少している。

引用元:文部科学省「日本の子どもたちの自己肯定感が低い現状について」

自己肯定感が低くなりやすい中にいるからこそ、親の働きかけが必要なのです。

親が効果的な褒め方をすると子どもの自己肯定感は高くなり、自分の存在を肯定できるようになっていきます。

しかし子どもに良くない褒め方をしていると、子どもの心に響かないだけでなく、かえって自己肯定感を下げる恐れがあります。

また、子の褒め方には大きく分けて2種類あります。

  • できたことに対する褒め
  • 存在を受け入れる無条件の褒め

今回は前者の褒めについて具体的に解説をしていますが、大前提として子どもの存在を丸ごと肯定する「無条件の褒め」、つまり子どもの存在を温かく見守る姿勢についても忘れないようにしましょう。

これはダメ!小学生の褒め方【NG編】

小学生の褒め方【NG編】

それでは子どもにとって逆効果な褒め方には、どのようなものがあるのでしょう。

NGな褒め方の例を紹介していきます。

親の都合で褒める

自分の子どもに対して優秀な子に育ってほしいと願う気持ちは、親としてごく当たり前のものです。

しかし親が考えている結果だけを基準にして子どもを褒めていると、子どもはそれを敏感に感じ取ります。

例えば子どもがテストで「90点だった!」と喜んでいたとき「これくらいのテストなら満点を取ってほしい」と思うことはないでしょうか。

親が望む結果の時にしか褒めていないと、子どもは「自分を見ていない」と感じてしまいます。

文部科学省が発行している生徒指導用の資料にも、子を褒める基準は大人が決めるべきではないというアドバイスが掲載されています。

大人が子どもを「褒める」ときは、一般に大人の基準や水準で「褒める」ことが多いように思われます。(中略)

それに対して、子どもが「認めてもらいたい」ときというのは、一般に子どもの基準や水準で「褒められたい」のではないでしょうか。

子どもなりのこだわりで努力したり工夫したりしたことを「認められたい」のです。

引用元:文部科学省「生活指導リーフ 「自尊感情」?それとも「自己有用感」?」

子どもが褒められたい!と思うことを褒めてあげると、自己肯定感を伸ばすことができ、物事に積極的に取り組めるようになります。

結果だけに注目する

結果だけに注目する

子どもに対して結果だけを褒めた場合、本人はその結果にしか注目しなくなります。

例えばテストで100点を取ったことに対して「100点とってすごいね!」と褒めた場合、子どもは次回以降も100点を取ることに執着するようになります。

思うような結果が出なかったときは必要以上に落ち込んでしまい、失敗を怖がる子になっていく恐れがあります。

また逆に100点を取り続けていた場合「100点を取っていれば褒められるからいいや」と考え、それ以上の努力をしなくなります。

子どもを褒めるときは結果だけでなく、その過程や努力を意識して褒めてあげるようにしましょう。

テストで100点をとった時には「毎日宿題を頑張ったからだね!」と普段の様子を関連させて褒めてあげれば、子どもは親に褒められたことを継続するだけでなく、親が見ているからもっと頑張ろうという気持ちになるはずです。

他の子と比べる

日本は競争社会であり、子どもが経験するテストや受験も同級生同士の競争であると言えます。

他人はライバルであることを早く意識させておきたい、と考える方もいるでしょう。

しかし「○○くんより上手だね」など、他人と比べる褒め方は子どもにとってはよくありません。

そのように褒められた子どもは確かにやる気を出すかもしれませんが、同時に友達を貶すことになるため、心の中にどうしてもモヤモヤが残り、自己肯定感を向上させることはできません。

他人と自分を比較する思考を植え付けることで優越感が育ちすぎてしまい、他人を見下してばかりの子になる恐れがあります。

また兄弟や姉妹で比較をすると、褒められたほうは喜びますが、比較されたほうは深く傷つきます。

本人が聞いてなければ大丈夫だろうと思っていても、子どもは悪気がないため「お姉ちゃんより頭いいねってお母さんに言われたんだ」と本人に何気なく喋ってしまうものです。

兄弟姉妹の関係に悪影響を及ぼす可能性もありますので絶対に避けましょう。

心が育つ!小学生の褒め方【OK編】

小学生の褒め方【OK編】

逆に子どもの心にとってよい褒め方、自己肯定感を効果的に育てるための褒め方についても紹介していきます。

ぜひ実践してみましょう。

共感しながら褒める

子どもが親に対して褒めてほしい、見てほしいという感情をぶつけてきたときは、一体どこを褒めれば子どもは喜ぶのか、どこを評価してほしいのかを探るようにしましょう。

褒めるといっても「すごいね」「えらいね」といったように具体的な主語がない褒め方をしていると、子どもには伝わりにくいです。

教育評論家の親野智可等先生も、小学校低学年の子に対する褒めは結果やプロセスに注目し、本人の思い入れが強いことを褒めることが大切だと述べています。

褒める場合は結果だけでなく、普段の学習態度やプロセスにも注目しましょう。

また、勉強以外で熱中していることなど、本人が褒められたいこと、思い入れが強いことを褒めることも大切。

認められた実感を得やすくなります。

引用元:お出かけ情報いこーよ「親の「褒め方」で子どもは変わる! 年齢別のコツ&正しい叱り方も」

自分が意識している部分、力を入れている部分を誰かに褒められると大人でも嬉しいものですね。

ここをこんなふうにして頑張ったんだね」と子どもが褒めてほしい部分に親が共感し、具体的な言葉をかけることで、自分を分かってくれる存在として親への信頼もより高まっていきます。

目線と表情を意識する

目線と表情を意識する

子どもを褒める時には、自分の表情と目線にも気をつけましょう。

忙しいときはつい子どもの話を片手間に聞いてしまうものですが、子どもを褒める時に他のことに気を取られていると、せっかくの誉め言葉も子どもに響きません。

褒めるときは子どもを見て笑顔で褒めるようにすると、子どもの喜びも倍増します。

子どもがやる気を出してくれるような褒め方をしながら、さらに表情も意識しましょう。
子どもにとって保護者に褒められることはとてもうれしいことです。
多少大げさになったとしても、思い切り褒めてあげましょう。

引用元:ベネッセ教育情報サイト「褒め方を間違うと逆効果!子どものやる気を引き出す褒め方のポイント」

どうしても忙しいときは、「今忙しいから少し待ってね」と断りを入れてあとから褒めても大丈夫です。

時には大げさなリアクションを取るようにすると、褒められたことがより子どもの心に残り、また頑張ろうとますますやる気になることでしょう。

親の嬉しい気持ちを伝える

効果的な褒め方として、親の嬉しい気持ちを一緒に伝える事もおすすめです。

愛媛大学教育学部が小学生1年、6年を対象に行った実験によると「ありがとう」「おめでとう」とあたたかい表現を使って微笑みながら褒められた子どもは、賞賛のほめ方をされた子より、勉強や親に対してプラスの印象を持ったということが明らかになっています。

愛情感情のほめ方を受けた子どもたちが算数ならびに実験者への印象が良好だという結果であった。つまり、実験者によるポジティブな言葉かけやあたたかいムードが学年を問わず、子どもに受け入れられたということである。

引用元:愛媛大学教育学部「ほめ方が児童の印象評価及び課題成績に与える影響」

ママはあなたが〇〇してくれて嬉しい」「ママはあなたが〇〇を頑張っている姿をみると元気が出る」というように、自分を主語にして褒めてみましょう。

子どもは親が喜んでいるのを見るのが好きですので「ママが喜んでくれて嬉しい」と感じてもっと頑張ることでしょう。

微笑みがあふれる暖かい空気感の中で褒めることで、子どもはより自己肯定感を高めることができます。

小学生の褒め方を理解して成長をサポートしよう

褒め方を意識して成長をサポート

子どもを褒めることは重要ですが、褒め方にも効果的なもの、逆効果なものがあります。

今回紹介した効果的な褒め方のコツを選ぶことで、子どもはやる気になり、自己肯定感を高めていくことができます。

また親が子どもを褒めることで、子どもは「愛されている」「見守ってもらえている」という充足感を得ることができ、親子の信頼関係が強固になっていきます。

親子関係がうまくいっているとコミュニケーションも良好になり、それを土台にして人間関係を広げていくことができます。

つまり褒めることは、子どもにとって非常に重要だということです。

よい褒め方を理解し、子どもの成長をサポートしていきましょう。

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