「人の話を聞かない子ども」の原因は?話を聞ける小学生に育つ親の対応

人の話が聞けない原因?話が聞ける子に育てるには? 親子の教育

子どもに何か話をしている時、キョロキョロしたりうわの空だったりしていて、話を聞いていない!と感じることはありませんか。

そのような様子を見て、子どもの今後について不安になってしまう方もいるのではないでしょうか。

しかし実は子どもが人の話を聞けるようになるためには、まずは自分が話したことを相手が聞いてくれる事の喜び、達成感が必要です。

つまり普段の子どもとの接し方次第で、今からでも話を聞ける小学生にできるチャンスがあるということです。

今回は子どもが人の話を聞けるようになるためにはどのように対処すればいいのか、また子どもが話を聞かないことによるデメリットやその原因についても解説をしていきます。

このページの要点をざっくりいうと

話を聞けない子の原因とデメリット

話を聞かない子どもはコミュニケーション能力や共感力が育たないというデメリットがあります。

子どもが話を聞かない原因としては、他の事に気を取られること、親の気をひく行動をしていること、親が普段子の話を聞かないことが挙げられます。

話をを聞く小学生にするには、先に子どもの話を聞くこと、焦らずにじっくり待つこと、約束を守り子の話を後からでもちゃんと聞いてあげることが重要です。

また性格によっては空想が好きで話を聞かない子もいますので、子どもの個性を受け入れてあげることを心がけましょう。

話を聞かないデメリットとは

話を聞かないデメリットは?

子どもだから仕方ない、今はこのままで大丈夫だろうとプラスに考える方もいるかもしれません。

しかし子どもの頃から人の話を聞かないでいると、共感力やコミュニケーション能力が育たなくなるというデメリットがあります。

最近の学習の場においては、コミュニケーション能力は重要視されている傾向があります。

文部科学省からの諮問によって文化審議会で作成された答申「これからの時代に求められる国語力について」において、コミュニケーションなどによって聞く力は育成することができ、それらは人間関係形成においても大切なことだと述べられています。

言葉への信頼については,コミュニケーションを通して形成されていく面もあり,家庭や学校などで十分なコミュニケーションが行われることが望ましい。

特に,学校教育においては,人間関係形成の能力としての「話す」「聞く」「話し合う」の力を確実に育成することが求められる。

出典元:文化審議会答申「これからの時代に求められる国語力について」

聞く力を育てるといことは、人間関係を形成する能力を育てるということ。

つまりは子どもが社会で生きていくための力を育てるということになるのです。

なぜ話を聞かないのか?3つの原因

話を聞かない3つの原因

子どもが話を聞かない理由として挙げられるのは以下の3つです。

  1. 気が散って話が入らない
  2. 相手の注意を引きたい
  3. 親が子どもの話を聞いていない

それぞれの内容について、詳しく解説をしていきます。

気が散って話が入らない

周りが気になって話が頭に入らない

人の話を聞かない子どもの中には、話の内容よりも周りの刺激がどうしても気になってしまう、という子がいます。

近くでテレビがついている、動画を流している時などに声をかけると、話の内容よりもどうしてもそちらに意識を奪われます。

家族が揃う時間帯はテレビをつけっぱなしにしているというご家庭も多いと思います。

テレビの内容が子どもにとってつまらなそうなものだったとしても、子どもは大人に比べて知らないことが非常に多く、好奇心もとても旺盛です。

「聞いたことない事を言っている」「新しい人が出てきた」など、ちょっとしたことでも気になってしまうのです。

そのような中で話しかけても子どもは話を聞けません。

また何か心配事や気になることがあるときも、子どもは話が聞けなくなります。

子どもは大人が「そんなことで悩んでいるの?」と思うような些細なことで真剣に悩み、心がいっぱいになることもあります。

話をするときは子どもの状況をよく観察する必要があります。

相手の注意を引きたい

相手の注意を引きたいとき、子どもはわざと話を聞かないようにすることがあります。

これは相手の気を引きたいためにやっている、いわゆる「試し行動」と呼ばれる行為なのです。

わざと親を困らせようと行っている行動を「試し行動」といいます。

これは、「自分は本当に愛されているのだろうか」ということを確かめる行動。

(中略)試し行動をする相手というのは、子どもにとって大切な相手。

「この人に愛されたい」と思うから、気を引こうとします。

引用元:ベネッセ教育情報サイト「気付いていないのは自分だけ? わざと親を困らせる子どもの本当の気持ち」

小さい子の場合は飲み物をわざとこぼす、絵本を破るなど比較的はっきりとした迷惑行為が試し行動として表れますが、小学生の場合は話をきかない、口答えするなどという形で表れることが多いです。

親や先生が一生懸命話をしているにも関わらず話を聞かないというのは、本人にとってマイナスになることは明らかですよね。

それでも話を聞かないというのは、怒られてもいいから注目されたいという気持ちの表れであり、子どもなりの「自分のことを見てほしい」「自分の話を聞いてほしい」というサインの可能性もあります。

親が子どもの話を聞いていない

親も子どもの話を聞いていない?

話を聞かない子全てに当てはまるわけではありませんが、そもそも親が子の話を聞いていない、ということも多いです。

子どもが話している時に何かをしながら生返事をする、「あとでね」と言ってそのままにするなどはしていないでしょうか。

確かに子どもの話は要点がまとまっていなかったり、重要性がとても薄いものだったりしますので、忙しい時はいい加減な気持ちで聞いてしまうこともあるかもしれません。

しかし子どもは親の態度をとてもよく見ています。

大人が話を聞かなければ子どもも同じように話を聞かなくなります。

子は親の鏡と言うように、親の態度を真似している可能性があるのです。

他の理由に当てはまりそうにない場合、もしくはどの理由なのか分からない場合、もしかするとこれが原因かもしれませんので、普段の自分の子どもへの態度を振り返ってみましょう。

話を聞かない子どもへ親が取るべき4つの対応

話を聞かない子へ4つの対策

それでは子どもが親の話を聞かない場合、親が取るべき対応は何なのでしょう。

具体的な対処法4つを紹介していきます。

  1. 先に子どもの話を聞く
  2. じっくり待つ
  3. 約束を守る
  4. 個性として受け入れる

先に子どもの話を聞く

先に子供の話を聞こう!

自分の子どもを人の話を聞く子にしたいのであれば、親が子の話を聞くというのが鉄則です。

先の項目でも解説をしましたが、子どもは親の行動をよく見ています。

親に話を聞いてもらえなかった、という経験が子どもの行動にそのまま表れますので、大人が話を聞かなければ子どもも聞きません。

そのためできる限り子どもの話を聞いてあげようとする姿勢が重要です。

子どもの話をきちんと聞くことで、子どもは親との関係に安心感を強く得られるようになっていきます。

自分が言いたいことを聞いてもらえたという安心感や喜びは、親子の絆を強くするとともに、相手のことも知ろうという態度へと繋がっていきます。

そして自然と親やそれ以外の人の話も聞けるようになっていくのです。

じっくり待つ

親が話をしていているにも関わらず子どもがぼんやりしていたり、明らかに話を聞いていなかったりすると、つい子どもに「ちゃんと話聞いてる?」「まだ○○しないの?」などとつい矢継ぎ早に声をかけてしまいがちです。

しかしこのような急かす言葉は子どもにとって効果がありません。

むしろ親が急かすことによって子どもに親のイライラが伝染するばかりか、話を聞く側が次第に相手への興味を失い、さらに話を聞かなくなります。

子どもに話を聞いてほしいときは、結果や結論を催促せずに待つことが大切です。

そして子どもが何かを話した時には、それをゆっくりと聞いてあげることです。

小学校低学年のうちは文章を作る力が発育途上ですので、話す内容も脈絡がなかったり、要点がまとまっていなかったりします。

それをじっくり待つことで子どもは「言いたいことを言えた」という達成感を持つことができ、コミュニケーション能力を育てていくことができます。

約束を守る

忙しくても約束は守ろう

上記で述べた通り、子どもが話す内容は要点がまとまっていません。

そのため子どもの話をじっくり聞こうと思うと、思いのほか時間が長くなります。

話をすぐに聞いてあげられればよいのですが、実際には忙しくて聞いていられないことも多いでしょう。

そのような時は「ちょっと待ってね」「○○が終わってからでもいい?」と伝え、その約束は守るように心がけましょう。

「あとで聞くね」と言って結局聞かないでいると、約束を守ってもらえなかったことで子の親への信頼心が下がりますので注意が必要です。

逆に約束を守って親が子の話を聞く時間を設けると、子どもは「自分の話を聞いてくれた」と実感することができ、お互いの信頼関係を高めることができます。

個性として受け入れる

子どもがいつもあまり話を聞いていない場合、親としては将来大丈夫なのか、どこか悪いのではないかと心配になりますよね。

話を聞いていない子の中には、人より少しおっとりしている子、空想が好きな子も多いです。

教育評論家として知られ、数多くのベストセラーを生み出している親野智可等氏は、ぼうっとしていたり自分の考えや空想にふける子はかなり多いと述べており、そのような子のよい面も認めていくべきだと提言しています。

もちろん、いつも話をちゃんと聞ける子もいます。

大人には、こういう子は手がかからないので、しっかりしたよい子に見えます。

でも、ぼうっとしていたり自分の考えや空想にふけったりしがちな子も、かなり多くの割合でいるのです。

引用元:子どもが話を聞かないのはなぜ? 原因と可能性をプラスに変える方法とは

親野氏は、こういう子たちの中に感性が豊かな子、オリジナリティーのある子が多く、対人関係においては穏やかな子や優しい子が多いとも述べています。

少しぼうっとしていても個性として受け入れ、プラス思考で見守ることも大切です。

話を聞かない子どもを変えるために親の意識を変えよう

子どもを変えるには親の意識を変える?

子どもが親の話を聞かない!と感じた時は、まず自分が子どもに対して普段どのような言葉かけや態度をしているのかを考え直してみましょう。

子どもに話を聞いてもらうためには、親が子どもの話を聞くこと、待つことが大切なポイントとなるためです。

子どもが話を聞かずのんびりしていると、どうしても否定的な言葉をかけてしまいがちです。

しかし京都女子大学の研究によると、親が受容的な態度を取り、肯定的な声掛けをすることで親子の信頼関係を築くことができるという結果も出ています。

『受容的な言葉かけ』が多く『拒否的な言葉かけ』が少ないほど母親への「信頼尊敬」得点が高かった。その反対に『拒否的な言葉かけ』が多く『受容的な言葉かけ』が少ないほど「親への反発」得点が高かった。

引用元:京都女子大学「中学・高校時代の母親の言葉かけが女子大学生の母子関係に与える影響」

中にはのんびりした性格で話を聞いていないように見える子、空想が好きな子もいます。

そのような場合でも子どもの心を満たすことで聞く力を伸ばすことができますので、子のことを肯定的に受け入れていくようにしましょう。

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