最近は「リビング学習」がいいって聞くけど、実際どうなんだろう?
親は子供の学習状況が見れるからメリットが大きそうだけど、悪影響はないの?
リビング学習が実際どのくらい効果があるのか教えて!
リビング学習の実際の効果、気になるよね!
今回は、メリット・デメリットの両面からリビング学習について見ていくよ。
最近話題になっているリビング学習。
名前通り、子ども部屋ではなくリビングで勉強をさせることです。
様々な教育関連のメディアで取り上げられており、実際に取り入れている家庭が増えています。
2020年2月にバンダイが実施した「小学生の宿題に関する意識調査」によると、小学生のうち7割が自宅のリビング・ダイニングで宿題に取り組んでいることが分かっています。
「自宅のリビング・ダイニング」で宿題に取り組む小学生は約 7 割。
学年が上がるにつれ、男子は「自宅のリビング・ダイニング」、女子は「自分の部屋」が増える傾向に!
子どもがリビングで勉強することで、保護者が効果的な働きかけができます。
親が勉強を見守り、動機付けやサポートを行う子どもの成績が相対的に高いことが分かっています。
保護者が内発的動機づけを高めるような支援をしているケースで子どもの成績は相対的に高く、保護者の働きかけの重要性が改めて示された。
今回はリビング学習をさせる事によるメリットだけでなく、デメリットについても詳しく解説します。
それと併せて、リビング以外にお勧めの勉強場所についても解説していきます。
このページの要点をざっくりいうと
リビング学習には、程よい雑音で集中力が養われ、親が家事をしながら勉強の様子を見られるというメリットがありますが、逆に親が子を叱りすぎてしまう、ゲームやテレビの誘惑があるなどのデメリットもあります。
子どもが集中しやすい勉強場所を作るのに効果的なのは、ゲームなどの誘惑から距離を置くこと、勉強スペースを作ること。
全ての子どもがリビング学習に向いているとは限りませんので、子どもにあった場所を見つけてあげましょう。
リビング学習で得られる3つのメリット
ではまず、リビングで勉強をすることによるメリットの3つを詳しく紹介していきます。
よく言われているのは雑音によって集中力を養える事ですが、それ以外にも様々なメリットがあります。
コミュニケーションが取りやすい
リビングで宿題をやらせたら、分からないところを聞いてくれたり、自分から音読するようになったの!
親が普段過ごす場所で勉強することで、ちょっとしたコミュニケーションが取りやすくなるよ!
リビングで勉強をすることでお互いに「そばにいる」という意識が芽生えますので、物理的な距離だけではなく精神的な距離も近くなり、孤独感や疎外感がなく勉強ができます。
特に低学年の子は親がそばにいると安心するものです。
また、近くにいることでお互いにコミュニケーションを取りやすくなります。
コミュニケーションは勉強とは直接的な関係はないように思えますが、お茶の水女子大による「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」において、親とのコミュニケーションがきちんととれている子のほうが学力が高いことが分かっています。
「勉強や成績のこと」「将来や進路」「地域や社会の出来事やニュース」を,親からだけでなく子供からも積極的に話す関係性が,高学力層の子供の家庭の文化的特徴の一つといえる。
集中力が養える
最初は雑音が気になってたみたいだけど、そのうちテレビを付けててもOKに。集中しやすくなったのかな?
「常に音がある環境」って意外と周りに多いよね!慣れておくことは重要だよ。
リビングは家族が家事などを行っていたり、家族が行き来したりするので、何らかの雑音が常に聞こえる状態です。
雑音のする環境下で勉強することにより、集中力を養えます。
学校でのテストや入試などは無音環境ではありません。
誰かが体を動かすなどの雑音が聞こえる、という事は決して珍しくないですね。
雑音のする状況で勉強し、集中できるようにすることで、将来入試などで自分の力をフルに発揮できるようになります。
また子ども部屋などで一人で勉強すると、誰も見ていない状況ですので、子どもはついダラけてしまいがちです。
学年が上がれば自分を律して勉強できるようになりますが、低学年のうちは難しいのが現状です。
リビング学習なら、家族の誰かに見られているという適度な緊張感のもとで勉強できますので、ついついサボるという事が無くなります。
得意・不得意を把握できる
算数をやっている息子をなんとなく観察していたら、計算はパっと解けるけど、文章題には手こずってることが分かったの!
「解くのにどの位時間がかかっているか」は、答え合わせだけだと気付かない視点だったな。
近くで見ることで、データだけでは分からない「クセ」も見えてくるよ!
子ども部屋等で勉強をさせる場合、ずっと付きっきりで勉強を見ているのは難しいという方が多いと思います。
しかし一人で勉強をさせた場合、どこで迷ったのか、どこで時間がかかったのかを把握できません。
どこで間違えたのかは後から見て把握ができますが、それは既につまづいた後のことです。
後からでは「どこでつまづきそうなのか?」「なぜつまづいたのか?」までは把握できませんので、苦手分野への対応が遅れます。
しかし親がいるリビングで勉強をすれば、子どもは分からないところをすぐに質問できます。
親側も時間を有効に使いながら子どもを見守ることができ、どの問題で時間がかかっているか、どこで困っているかを把握できます。
家事などをやっていてずっと傍で見ていなくても、手こずる科目や問題の傾向を知る事ができるため、子どもの苦手に関して早く対策を行うことができます。
リビング学習における3つのデメリット
リビング学習についてはメリットばかりが取り上げられがちですが、もちろんデメリットもあります。
実際にリビング学習を取り入れる前に、以下の3つのデメリットも知っておきましょう。
リビングが散らかる
奮発して買ったダイニングテーブルが、いつの間にかペン跡だらけに…
ノートや教科書をいちいち片付けるのも、結構大変なのよね
どうしても机を守りたい!という場合はカバーの利用も考えてみて。ダイニングにカラーボックスを置いて、そこにノートなどをしまうのもアリだね
低学年の子どもは2Bなどの濃い鉛筆を使っている上、漢字や計算の書き間違いが多いですので、上級生に比べて消しゴムのカスが多く出ます。
下敷きを敷かずに両面プリントを解いたせいでテーブルが鉛筆で汚れてしまった、という事もあります。
ダイニングテーブルで勉強をさせた場合、食事の準備の際にはテーブルを片付けなくてはいけないため、それらの掃除が負担になります。
また子どもが集中している時に夕食のタイミングが来ると、一旦テーブルの上を片付けなくてはいけません。
勉強道具を全て片付けた場合、それを再び準備をする手間がかかるため、次に勉強に取り組むためのハードルが上がる恐れがあります。
また勉強に必要なノートや教材、ランドセルをリビングに置くようになるため、リビングが常に散らかった状態になり、掃除がしにくくなる事もデメリットです。
子どもを叱りすぎる
すぐ見れる場所で勉強しているからか、怒ることが増えた気がする…すぐ遊び出したり、テレビに気を取られてそうなのも気になるな~。
ついつい声をかけてしまいたくなるけど、一旦我慢してあげて!
「〇分間遊んでいたら声をかける」のように、声掛けの目安を決めておくのがおすすめだよ
メリットの項目でコミュニケーションが取りやすい点を挙げましたが、これがデメリットに働くこともあります。
子どもがリビングで勉強をしていると常にその様子が視界に入りますが、これは悪い面も視界に入るということ。
子どもが勉強に集中していない素振りを見てしまうと、親はイライラしてどうしても叱っってしまう傾向があります。
子ども自身は本当は問題について考えていたとしても、親の目からはぼーっとしているように見え、つい「ちゃんとやってるの?」等と声をかけてしまう事もあります。
子どもからすると、問題に取り組んでいたにも関わらず叱られたという事になるため、それがきっかけで集中力が途切れやる気を失う恐れがあります。
子どもは叱られるとストレスがたまり、反発心が生まれます。
リビング学習を始めた結果叱る機会が増えて結局前より勉強しなくなってしまった、ということが無いよう注意が必要です。
誘惑が多い
ちょっと目を離したすきに、パパと娘がゲームに熱中…
どっちを怒ればいいか分かんなくなってきちゃった。
テレビやゲーム、スマホに誘惑されちゃう子も多いよね…。
兄弟がいる場合も大変。同時に勉強させたり、工夫が必要だよ
ほとんどのご家庭のリビングにはテレビがあると思います。
リビングのテレビにゲームも繋いである、という家も多いでしょう。
リビングで勉強をすることは誘惑がすぐそばにあるという事なので、子どもが集中できない恐れがあります。
もちろん子どもの勉強中に他の家族がゲームやテレビをつけるのは言語道断。
兄弟がいる場合はその子もテレビやゲームを我慢しなくてはなりません。
兄弟の年齢差が1学年程度であれば同じ時間に勉強ができるかもしれませんが、学年が2学年以上離れている場合や未就学児の場合は勉強時間の差が大きいため、一人は勉強をしているが兄弟は勉強が終わって自由、という事が起きます。
一人がリビング学習をしている間は兄弟の行動を制限しなくてはならず、制限された子がストレスを貯めることになり、兄弟の勉強へのやる気に影響を与える恐れがあります。
リビングと子ども部屋、学習に最適なのは?
せっかく子供部屋があるんだから、自分の部屋で勉強して欲しい!って思うなー。でも、リビングの方がいいのかな?
結論から言うと、場所は関係ないんだ。
子供部屋でもリビングでも、「子供が集中できる環境作り」が大切だよ!
リビングにはテレビやゲームなどの誘惑が多いため、やっぱり子ども部屋で勉強させよう、とお考えの方もいるかもしれません。
しかし子ども部屋も誘惑が多い上、低学年の子どもはその誘惑に負けてしまう可能性が非常に高いです。
子ども部屋に漫画やポータブルゲーム機があると、勉強をするために部屋に行ったにも関わらず、いつの間にかゲーム等に夢中になっているという事はよくありまです。
重要なのは誘惑から切り離し、勉強に専念できるスペースを作ることです。
可能であれば自分の部屋と勉強部屋を分けるのが一番理想ですが、難しい場合はゲームやテレビなどの誘惑から遠い場所に勉強スペースを作りましょう。
リビングで勉強をさせたいのであれば、視界にテレビが入るテーブルではなく、勉強用の机を用意して壁の向きに置くのもオススメです。
リビングではなく廊下に勉強用カウンターを作っている家や、階段下や踊り場(スキップフロア)に勉強場所を設ける家もあります。
「リビング学習」という名称が有名になっているため、リビングで勉強させることに固執しがちですが、先に紹介したメリット3つの条件を満たすのであれば場所はどこでも構いません。
子ども自身が集中できる場所を探すことが大切です。
リビング学習にこだわらない!集中できる場所を探そう
子どもの勉強場所に正しい答えはありません。
家の間取りや子ども部屋及びリビングの様子、家族や兄弟の事情は各家庭で異なるためです。
また子ども全員がリビング学習に向いている訳でもありません。
「雑音があるとどうしても集中できない」「一人で勉強するのが好き」等、リビング学習が向かない子もいますので、どのような状況が一番勉強に適しているのかは子どもによっても違うのです。
リビング学習の利点については様々なメディアで紹介されていますので、自分の子もリビングで勉強させよう、と焦ってしまう方もいるかもしれませんが、勉強場所も子どもの個性の一つ。
リビングという場所に拘らず、子ども自身が集中できる場所を探してあげましょう。
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