いつの時間帯に子どもに勉強させたらよいのか、迷うことはありませんか?
夕食前に勉強させようとしたら観たいテレビを気にする、夕食後に机に向かうとウトウトする等、勉強に向いている時間帯に試行錯誤している方も多いのではないでしょうか。
小学生の子どもにとって、勉強にベストな時間帯は一体いつなのでしょう。
子どもが勉強に向いている時間帯が分かれば、効率よく勉強でき、成績も上がっていきます。
この記事では、小学生の勉強時間のゴールデンタイムはいつなのか、逆に勉強に向かない時間はいつなのかを解説します。
そして実際に勉強の時間帯を決める上で、気をつけたいことについても詳しく説明していきます。
このページの要点をざっくりいうと
勉強する時間にも
ゴールデンタイムがあるんだね
そうなんだ!おすすめの時間帯は
朝、もしくは夕食前だね
食後は眠くなりやすいから避けよう
勉強に向いている時間帯は、脳が疲労から回復している朝、集中力を欠く誘惑が少ない帰宅後です。
食事直後は血糖値の変動の影響で眠くなりやすいため、避けたほうが良いです。
子どもが集中できる短時間に区切り、休憩をはさみながら勉強しましょう。
大人が一方的に押し付けるのではなく、子どもと一緒に話し合いながらスケジュールを組むことがポイントです。
習慣はいきなり身につくものではありませんので、少しずつ長い目で見守りましょう。
小学生の勉強にベストな時間帯はいつ?
成績の良い子どもの多くは
朝、夕食前に勉強しているんだ
両方バタバタしてる時間だ…!
実際に子どもが勉強をするのに向いている時間帯はいつなのでしょう。
ベネッセが小・中・高校生を対象に行った調査によると、成績がよい子どもの多くは朝や夕食前に勉強をしていることが分かっています。
朝食前に勉強する
朝目覚めてからの3時間が脳の
ゴールデンタイムと言われているんだ
朝はタイムリミットがあるから
確かにダラダラはしないかも!
人間の脳の記憶は寝ることで整理されます。
きちんと睡眠をとっていた場合、朝は一番頭が冴えている状態で、疲れも取れています。
脳科学者の茂木健一郎氏は、朝目覚めてからの3時間が脳が最も効率よく働く「脳のゴールデンタイム」であると述べています。
朝の脳は前日の記憶がリセットされるため、新しい記憶を収納したり、創造性を発揮することに適した状態になります。
この脳の仕組みが、朝の時間がゴールデンタイムだと言われる理由です。
その効果を利用し、小学校などでも朝の始業前に読書や計算問題などの時間帯を設けているところが多いです。
各学級において朝読書。月曜及び水曜は「はりきりタイム」と合わせて児童朝会や各種集会活動等の全校での活動。
夜とは違い朝の時間はごく限られていますので、否が応でも「○時まで頑張ろう」とリミットを決めなければなりません。
締め切りが決まっているという心理効果で更に勉強がはかどります。
身支度を整えてから朝ごはんを食べるまでの時間帯に脳をたくさん使う計算や音読を行うことにより、効率よく勉強ができます。
授業の復習がメインである宿題より、自主学習を中心に行うと、効果的な実力アップが見込めます。
夕食前に勉強する
帰宅してから夕食までの時間帯は、子どもにとって誘惑だらけです。
兄弟やよく遊ぶ友達がいる場合はどうしても誘いに乗ってしまいますし、一人だったとしてもテレビやゲームが気になってしまうでしょう。
だからと言ってゲームやテレビを勉強の先にすると、楽しさで気持ちが高揚してなかなか勉強に向かえなくなります。
低学年の子どもは気持ちの切り替えがうまくできません。
テレビやゲームの時間帯を決めてそれを守ったとしても、子どもの心の中には「もっとゲームをやりたい」という気持ちが残るため、勉強に集中ができず、その後の時間の使い方にメリハリがなくなります。
低学年の子どもに勉強の習慣を定着させたいのであれば、学校から帰ってからすぐ勉強をさせるのが一番です。
そして夜に時間が余った時に暗記科目をやらせると、記憶が定着しやすいです。
脳は最初に得た情報よりも新鮮な情報のほうが覚えやすい傾向があるため、暗記したい事柄は夜に取り組ませる事をお勧めします。
勉強に向かない時間帯はある?
食後は血糖値の関係でどうしても眠く
なりやすいから避けたほうが無難だね
言われてみれば確かにそうかも…
朝と夕方が勉強に向いていると紹介をしましたが、子どもによっては「他の時間のほうがやる気が出る」という子もいるでしょう。
個性は様々ですので、本人にやる気があるのであれば時間帯にこだわる必要はありません。
しかし食事直後で満腹のときは勉強の効率が大きく低下します。
理由は食事の後急激に血糖値が上がり、その後急速に血糖値が下がるためです。
血糖値が下がると脳に行く血糖値も下がり、脳の栄養となるブドウ糖が不足するため眠くなります。
いくら本人にやる気があっても、身体的に効率は下がってしまうということに注意が必要です。
また家族が帰宅して集まる夕食以降の時間も、勉強に集中しにくい時間帯です。
他の家族がテレビを観ていたり、話をしていたりすると、子どもはどうしても気になります。
家族の人数が多い場合、お風呂に入る順番が途中でやってくることもあるでしょう。
子どもにやる気があっても集中力が途切れる機会が多くなるため、効率はどうしても落ちます。
実際に落ち着いて勉強できる時間帯はいつなのか、子どもと一緒に話し合って決めることが大切です。
時間帯を意識して勉強するときの3つの注意点
時間帯を意識して勉強する際に
注意してほしいことがあるんだ。
まずは睡眠時間だね
時間帯だけ意識してても
だめってことだね
勉強によいといわれている時間帯を意識して実際に時間を決めて勉強する場合、あらかじめ以下の3つのことに注意しておきましょう。
睡眠時間は削らない
ゴールデンタイムを意識しすぎて
寝不足になったらは本末転倒だよ!
寝不足だと集中できないしね…
勉強のゴールデンタイムを意識するあまり、睡眠時間を削ってしまう事は本末転倒です。
確かに朝食前の時間は効率がいいですが、寝不足の状態では集中ができません。
少し睡眠時間を削ってもしっかり勉強したほうがいい、と考える方もいるかもしれません。しかし実際に高校生を対象にした調査では、睡眠時間が短いほど成績がよくないという結果も出ています。
24時以前に就床する生徒や8時間以上の睡眠をとる生徒で、英語、数学の成績が最もよいこと、就床時刻が遅い生徒ほど、成績がよくないことが判明しました。
年齢や体調に応じた睡眠時間を確保することで日中は授業に集中でき、勉強に適している時間帯をより効果的に使うことができます。
短時間で区切って勉強する
子どもにはできるだけ長い時間勉強してほしいものですので、ある程度のまとまった時間帯を「勉強時間」として押し付けてしまいがちになります。
しかし子どもは集中力が短く、小学生の集中力持続時間は約15分程度だと言われています。
仮に30分を勉強の時間に充てたとして、15分だけ集中して残りをだらけてしまっては、時間を多く取った意味がありません。
文部科学省の発表した資料でも、15分ごとに時間を区切って授業を行ったところ、子どもの学力向上に効果的につながったという調査結果のもと、短時間での授業を推進していることが分かります。
全国学力・学習状況調査において、前年度はA問題、B問題ともに平均正答率が全国を下回っていたが、下記の様な短時間学習の取り組みを行うことにより、平成20年度調査において、A問題、B問題ともに全国との差が縮まり、特に算数のA問題においては全国を上回る結果を残すことができた事例がある。
・5分×3のモジュール学習「集中タイム」の導入
45分間の授業を15分間ずつ3つのモジュールに分割して基礎的な学習の内容を取扱い授業とする。
自宅で勉強をする際も、タイマーなどで15分ずつ区切りながら短時間で学習を行うようにすると、ずっと勉強しつづけるよりも効率が良くなります。
タイムスケジュールを立てておく
ここで重要なのは子供と一緒に
タイムスケジュールを立てること!
親が決めてしまうと
やらされてる感が出ちゃうもんね
子どもにとって勉強によい時間帯が分かったら、子どもと一緒にタイムスケジュールを立ててみましょう。
親が一方的に「この時間に勉強してね」と言うと、子どもはどうしても勉強をやらされているという感覚になります。
自主的に動いているわけではないため長続きしませんし、親にとってもストレスになります。
自分で計画を立ててその通りに行動するという習慣は、子どもの自主性を育てる事にも役立ちます。
まずは親がアドバイスをしながら計画を立て、それを実行できるよう見守ることで、子ども自身のやる気を引き出していきましょう。
勉強の時間帯を意識しながらおおらかに見守ろう
ゴールデンタイムが大事なのは確か!
だけど慣れるまではなかなか大変だと
思うから、できる範囲で少しづつね
焦らずゆっくりがんばろう!
子どもにとっての勉強のゴールデンタイムは朝と帰宅後です。
朝は脳の疲労が取れていて集中力が高まりますし、帰宅後は子どもを取り巻く様々な誘惑を避けることができます。
しかし実際にその時間帯に勉強させようとしても「思ったように時間がとれない」「集中できない」ということもあるでしょう。
しかし時間を守ろうとして子どもにイライラしたり、辛くなったりしては親と子どものお互いのためによくありません。
習慣は少しずつ身につけていくものですので、最初の頃はうまく時間が合わないこともあります。
焦らずに長い目で子どもを見守っていきましょう。
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