勉強中の姿勢って大事だよね。
うちの子、最近ちょっと猫背っぽくて心配…。
勉強の時の姿勢を正しく保てる方法って?
勉強中の姿勢が悪いままだと、勉強効率の低下にもつながってしまうよ。
効率アップのためにも、正しい姿勢の保ち方を学ぼう!
子どもが家で勉強している時の姿勢を気にしたことはありますか?
低学年の子は小柄なため、座っている様子を見ていても姿勢の悪さには気づきにくいものです。
しかし実は、勉強中の姿勢はとても大切。
姿勢が悪いと集中力が続かなくなったり、目が悪くなったりするなど様々なデメリットがあります。
子どもがなかなか勉強に集中できないのは、もしかすると姿勢が原因かもしれません。
逆によい姿勢を心がけると、勉強の効率が上がるなどのメリットがあります。
今回は子どもの姿勢が勉強に与える良い影響や悪い影響を解説していきます。
勉強中の姿勢をよくするには具体的に何を心がければよいのかについても詳しく紹介します。
このページの要点をざっくりいうと
猫背や頬杖、足組みなどの悪い姿勢は集中力を欠く原因になるだけでなく、体の歪み、視力低下などの原因にもなります。
姿勢をよくすることで心身的な疲労が軽減され長く集中できる、生き生きした気分になる等のメリットがあります。
姿勢をよくするためには子どもに合った椅子に座る、学習台やスタンドライトを用意するなどが効果的。
元々の子どもの集中力の妨げにならない程度に姿勢の改善を図りましょう。
勉強効率を下げる?3つのNG姿勢
猫背が悪いのは分かるけど、他にも勉強によくない姿勢ってあるの?
背筋が良い・悪いだけじゃなく、頬杖をついたりすることでも勉強に悪影響があるんだ。
良い姿勢について解説する前に、まずは勉強によくない姿勢、効率を下げる姿勢を紹介します。
子どもの普段勉強する姿勢に当てはまっていないかを確認してみましょう。
呼吸が浅くなる!猫背
猫背がダメってよく言われるけど、そもそも何でダメなんだろう?
実は、猫背が続くことで脳が酸素不足になってしまうんだ。
脳にも影響が!?
猫背でいると背骨が肺を圧迫し肺容積が減少します。
肺容積が減ると呼吸が浅くなり、酸素を血液中に十分に取り入れられないため、脳が酸素不足になります。
筋肉などは酸素をある程度貯蔵できますが、脳にはそのような機能がなく、血液とともに流れてきた酸素をその場で全て使います。
つまり脳は酸素を十分に送り続けていないと正常な活動ができません。
脳が低酸素状態になると働きが鈍くなり、勉強の効率が著しく低下します。
逆に酸素が十分に足りている状態であれば、記憶力が向上したり、学習による疲れが軽減されたりすることが分かっています。
高濃度酸素を吸引しながら学習を行った生徒の群は、気分および疲労度ともに学習前よりも良化していました。
このことは、高濃度酸素を吸引しながら学習を行うことで、学習に伴う疲労感を軽減することができたことを示しています。
また猫背だと上半身のバランスが崩れ、腰の関節に負担がかかり、腰痛を引き起こします。
そして頭が前に突き出るため、肩や背中の周りにある僧帽筋が頭を支えようとします。
頭の重さはおよそ10%~13%と大きな比重を占めているので、筋肉にかなりの負担がかかり、結果として肩こりも引き起こします。
長く集中力を保てるようにするにためは猫背は厳禁です。
体がゆがむ!頬杖や足組み
うちの子は猫背じゃないから大丈夫ね!
でも、ずっと頬杖をつきながら勉強しているよね…
続けていると、骨盤のゆがみや肩こりの原因になってしまうんだ。
大人でもついついやってしまう足組みや頬杖ですが、身体の片方に重心がかかるため体が歪む原因になります。
体が歪むと正しい姿勢が心地悪く感じるようになり、どんどん体が歪んでいく事になります。
人間が足を組むことの悪影響は各メディアで取り上げられているため、ご存知の方も多いでしょう。
足を組んで座ると骨盤が傾き、それに対応して背骨も同じ方向に曲がります。
肩が前のほうに出るため肩や首回りの筋肉に負荷がかかり、肩こりの原因にもなります。
さらに足を組むことで下半身の血行が悪くなるため、足が痺れて集中力が妨げられます。
また頬杖は歯並びや顎関節に悪影響を及ぼすことが分かっています。
子どもの骨は発育途中ですので、顎だけでなく歯並びにも影響を与える恐れがあります。
目が悪くなる!机を使わない
うちの子がタブレットを使って勉強してるんだけど、リビングで寝転がってやることも多いのよね。
机を使わないことの弊害って、意外と大きいんだよ
子ども部屋ではなくリビングで勉強をする「リビング学習」を取り入れているご家庭もあると思いますが、リビングの床にノートを置いて勉強していませんか?
寒い時期はコタツに寝転がりながら勉強をしたり本を読んだりする子もいます。
机を使わずに勉強をするとノートと目の距離が近くなるため、目が悪くなる原因になります。
実際に視力が低下している子どもの視距離は、そうでない子どもよりも著しく短く、ピントの調整力も低下していることが分かっています。
学習時の姿勢をバイオメカニクスの観点から定量的に記述し、眼科学的に評価した。
その結果、視力低下群では、正視群と比較して視距離が著しく短く、調節力が統計上有意に低下していた。
視力低下群の学習時の視距離は平均値で15.0cmであり、調節力は3.3D(ディオプタ)であった。
近い距離でずっと勉強をしていると、遠くを見る力が弱まっていくのです。
また、机を使わないと猫背にもなりますので、先の項目でも紹介した猫背による悪影響も起こります。
勉強中の姿勢をよくするメリット
子供に「姿勢よくしなさい」って怒ったら、「ちゃんと勉強してるんだからいいじゃん」って言われちゃった…
ついつい怒ってしまう時もあるよね。ここからは、良い姿勢にすることのメリットも見てみよう!
ここまでで姿勢が悪いことのデメリットを中心に解説を行いましたが、良い姿勢で勉強をすることのメリットも勿論あります。
姿勢が良いと体に負担がかからないため、肩こりや腰痛などが起こらず、長時間集中することができます。
さらに背筋を伸ばすことにより生き生きした気分になり、心身共に疲れにくくなることが分かっています。
逆に猫背姿勢でいると背筋を伸ばしている時に比べ、学習性無力感(何をしても意味がないと感じ、逃れようとしなくなること)がある課題に対する持続性が下がりやすい事が研究で明らかになっています。
背筋を伸ばした姿勢は、猫背姿勢に比べ、力強く生き生きした気分になり、自分の考えにも自信をもち、精神的疲労を低下させる。
逆に、腰を曲げた猫背姿勢では、背筋を伸ばした姿勢に比べて、学習性無力感を伴う課題に対する持続性が低下しやすい。
つまり猫背でいると、背筋を伸ばしている時に比べ、課題を諦めやすくなるということです。
良い姿勢は肉体面だけでなく精神面にもメリットがあることが分かりますね。
勉強中の姿勢を良くする方法
子どもに「姿勢をよくしろ」と言っても、本人はどのようにすればいいか分かりません。
良い姿勢で勉強ができるよう、大人がサポートしてあげましょう。
体にあった椅子
勉強の時に使っているイスが、なんだか居心地悪そう…
どんな椅子を使うのがいいの?
長時間座るものだから、座り心地の良さが大事だよね。
良い姿勢を維持させるためには体にあった椅子が非常に重要です。
まず背もたれは背中にちゃんと当たるものを。
背中が背もたれに当たっていると猫背にならないだけでなく、骨盤が動くこと、足を組んでしまうことを防げます。
背筋を伸ばして座るためには、足で踏ん張ることも必要。
足を置くことができる足置きがついているものを選ぶと、背筋を伸ばしやすくなりますし、無意識に足を組んでしまうことを防げます。
椅子の高さは、座って机の天板に腕を降ろした時に肘が90度になるのが理想です。
体の成長にあわせて高さが調節できるもの、もしくはバランスチェアを選ぶとよいでしょう。
椅子は机に比べて高価ではなく、ある程度は高さが調節できますので、インターネットでの購入を検討している方が多いかもしれません。
しかし子どもに合った椅子を選ぶためには、実際に座らせて選ぶことが一番です。
本人が気に入った椅子を選ぶことで勉強へのやる気にも繋がるでしょう。
学習台を使う
「学習台」って、初めて聞いたかも!
机の上にノートや教科書を置いて学習すると、上からのぞき込む形になってしまうよね。
より学習しやすい角度にしてくれるのが「学習台」なんだ!
学習台とは「勉強台」「イージーライティングボード」「ポータブルデスク」等とも呼ばれる、10度程度の傾斜がついたボードのことです。
机は椅子と違い高さが調節できないものが大半ですので、机の高さが合わないという方はぜひ学習台を導入してみましょう。
学習台には傾斜がついていますので、背中を曲げなくても手元を見ることができ、自然と背筋を伸ばして勉強に取り組めます。
ブックスタンドつきのものを選べば狭いスペースでも勉強できますし、自然に本から距離を置くことができるので、視力悪化も防止できます。
最近は小物を収納できるタイプも販売されていますので、姿勢を改善したい方だけでなく、これからリビング学習を検討している方にも非常にオススメです。
スタンドライトを用意する
うちの子は自分の部屋で勉強しているんだけど、時々明かりをつけてなくて心配…
それなら、スタンドライトを付けてみるのはどうかな?
手元が暗いと文字が見えにくくなるため、どうしても前傾姿勢になります。
すると背筋が曲がり視力にも悪影響を及ぼします。
特に学習机以外の場所で勉強をしている場合、手元の明るさは盲点になりがち。
「部屋は十分に明るいから大丈夫」と思っていても、文字を読むには明るさが足りなかったり、体や頭が手元の影になったりすることもあります。
子ども本人も「文字は読めるから大丈夫」と思い、自分からは暗さを訴えない子が多いです。
手元が十分に明るくないと悪い姿勢に変化する原因になりますので、手元を照らせるスタンドライトを用意してあげましょう。
最近はLEDの普及により、小型で低電力のライトが増えています。
折り畳みができるもの、電池式や充電式で電気コードがいらないものも多くなっていますので、ぜひ検討をしてみましょう。
集中できる姿勢で勉強することが大切
ここまでで悪い姿勢、正しい姿勢について解説をしましたが、一番大切なのは子どもが無理をせず自然に集中できることです。
正しい姿勢に改善しようとして、勉強の邪魔をしては本末転倒です。
子どもに正しい姿勢をするよう強制してはいけません。
本人に合った椅子を選んであげる、スタンドライトを用意してあげる等、勉強の妨げにならない範囲での改善を心がけましょう。
また子どもはデリケートですので、勉強の環境が大きく変わると集中できなくなる事もあります。
本人の様子を見たり、話し合いながら、無理のない範囲で姿勢の改善に取り組んでくださいね。
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