テレビ等に出演している東大生や東大出身生を見て、思考力や発想力に感嘆したことがある方は多いと思います。
東京大学は2020年の世界大学ランキングでは36位にランクインし、日本の大学では唯一トップ50位入りを果たす程優秀な大学です。
そのような大学に入る人が、小学校時代はどのように過ごしていたのか気になりませんか?
また、実際に東大学内で行われた生活実態調査では、小学校時代に学習の意欲を高める際、母親の影響が大きかったと答えた人の割合が半数を超えています。
学習意欲を高めるのに影響が大きかったと思う人は、小学校時代が「母親」54.1%、中学・高校時代が「親しい友人」59.6%で1位
東大生にとっても、母親の心がけや行動が子どもの学習意欲に関係していたということが分かります。
実際、東大生の母親はどのように子どもに関わっていたのでしょうか。
このページの要点をざっくりいうと
東大生って小学生のうちから
特別な教育は必要なのかな?
塾に通っていた子は多いみたいだけど、
親が子どもの意欲を見守ることも重要!
東大生の小学生時代の特徴として、興味のあることに熱中していたこと、塾に通っていたこと等が挙げられます。
そして東大生を育てた親は子どもの興味を受けいれ、見守っていたことが分かります。
探求心を育てることで子どもの視野が広がり、様々なことに興味を持つようになります。
東大生の小学校時代や親の取り組みを参考にし、子どもの意欲を見守っていきましょう。
東大生は小学校時代をどう過ごした?
小学生時代もやっぱり
飛び抜けた存在だったのかな?
東大生が実際にどんな生活を
送ってきたのか調査したよ!
東大生は非常に優れた頭脳を持っていますが、小学校のころから周りと比べて特別な存在だったのか、気になりますね。
実際に東大生が小学生時代にどのような生活をしていたのか、調査を行いました。
興味のあることに熱中する
東大生の子ども時代に関するインタビューなどを調べると、何かに熱中した体験を持つ人が非常に多いことが分かります。
水上さんが「無限に本を読んでいた」、伊沢さんが「サッカー選手について調べ尽くした」というように、東大生の多くが子ども時代に、「何かに熱中する体験」を持っています。
様々なテレビ番組に出演をしている現役東大生の松丸亮吾さんも、低学年の頃は図書館で謎解きの本を読破していたとインタビューで答えています。
“ナゾトキ”に興味を持った松丸少年は図書館で“ナゾトキ”関連の本を次々と読破。
ついに解く問題がなくなり、自分で問題まで作るようになった。
東大に入った人の小学校時代を想像したとき、「歴史上の人物を暗記していた」「数学の問題を解いていた」というように学問に関する事柄に熱中している子どもを思い浮かべる方もいるでしょう。
しかしここで着目したいのは、東大生は幼い時に必ずしも学問に関する事に集中しているわけではない、ということです。
興味がある事柄を調べ上げたり観察したり、1つのことをとことんまで突き詰めることで、物事を理解する楽しさを身につけていたようです。
塾通いはマスト!
塾通いは必須なんだね
東大生の7割以上が塾は役に立った
という回答をしているんだ
東京大学新聞社の調査によると、東大生の約65%が小学生時代に進学塾・学習塾に通っていたという結果が出ています。
塾など学習系の習い事についてのアンケート結果から、東大生の約65%が小学生時代に進学塾・学習塾に通っていたと分かった。
文部科学省の「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」では、小学生全体における学習塾への通塾率は25.9%という結果が出ていますので、東大生のほうが塾通いをしていた子が多かったということが分かります。
また東大新聞オンラインのアンケートでは同時に塾の東大合格貢献度も調査しており、進学塾に通っていた人の約88%、学習塾に通っていた人の約73%が東大入学に塾が役に立ったと回答しています。
進学塾とは中学受験を主な目的とした塾を指します。
小学校の頃から進学塾に通うことで、東大に入学するための学力や得点力の基礎を築いていたことが分かります。
よって東大生の小学生時代には塾通いは不可欠であると言えます。
意外と普通だった!?
東大生は小学校の頃から勉強ばかりしている、という印象があります。
しかし実際に調査をしたり、東大生・卒業生のインタビューなどを見たりすると、ゲームや外遊びもする普通の子どもであったことが分かります。
東京大学新聞社が東大生に行ったアンケートによると、小学生時代はゲームをする時間に「特にルールがなかった」と答えている人が半数近くを占めています。
「小学校時代にゲームに関するルールがあったか」を聞いたところ、全体の約44%に当たる158人が「なし」と回答した。
その中で小学校時代にゲームを全くやっていなかったのは43人。
残りの115人は特にルールを決めずゲームで遊んでいたことになる。
ゲーム自体を完全に「禁止」されていたのは357人中わずか20人しかいません。
つまり東大生でも子ども時代はゲームを楽しんでいたことが分かります。
同調査ではゲームの最長時間についてもアンケートを行っており、357人中80人が一日12時間以上と回答しています。
12時間も連続してゲームを行うというのは目の疲れが心配になりますが、勉強に限らず、一度思いっきり熱中するという体験を経ることで、同じことに固執することなく様々なことに興味を持てるようになると考えられます。
東大生が小学校時代に身に着けていた生活習慣
生活習慣はどんなことを
していたんだろう?
小学生のうちから読書や早起きを
習慣化していたようだね
勉強に関する事以外で、東大生が普段行っていた生活習慣についても調査を行いました。
その結果、東大生の多くは読書を多く行い、早起きをしていた人が多いということが分かりました。
読書
多くの東大生が共通していたのが読書
一ヶ月で7~8冊が平均だね
そんなに?!
多くの東大生が共通して小学校時代に行っていた事が読書です。
東大生に行った調査によると、小学生時代に読んでいた本はひと月平均7.4冊で、小学生全てを対象にした調査と比べると読書量が多いということが分かっています。
現役東大生にアンケートで、小学生時代の読書冊数について聞いたところ、ひと月平均7.4冊だった。
このペースで本を読んだとすると小学校6年間で533冊になる。
全国平均は月5.6冊(出典:学研教育総合研究所、小学生白書Web版「小学生の日常生活に関する調査」2014より)。
比べると小学校生活で130冊も読書量の差が出ることになる。
「東大生は小学校時代をどう過ごした?」の項目でも紹介をしましたが、水上颯さんは小学校時代に図書館の本を読みつくしてしまったと話しています。
ジャンルにこだわっていると読む本がなくなってしまうので、とにかく手当たり次第。
ですから図書館の本は読みつくしたという感じですね。
最初は興味のある分野から読んでいても、図書館に新しい本が入るよりも読むスピードが早ければ、いずれ読む本が無くなります。
そうすると別のジャンルの本を手に取り始め、新しい事を知る喜び、物事を攻略する楽しみを覚えていきます。
その体験が後の勉強に大いに役立っていると考えられます。
早起き
東大生・京大生を対象に行ったアンケートによると、小学校のころ、早起きが得意であったと答えた人は約半数もいます。
「朝は7時ごろに起きて、夜は9時ごろには寝ていました。家族全員で朝ごはんを食べて、学校へ行く前に音読と、低学年のころは100マス計算、高学年では百人一首を覚えていました」
「ぼくは朝6時くらいに起きて、6時半に朝ごはんを食べてました。朝食まではぼーっとしているか、そのときにはまっていたことや、数独などのクイズを解いて遊んでいるかのどちらかでした」
前の日は夜9時~10時までに就寝し、朝早くに起きて朝食を摂り、ちょっとした勉強等を行う、というライフスタイルを送っていた人が多いようです。
朝の学校に行くまでの時間は限られていますので、その時間をうまく管理できているということも分かりますね。
同アンケートでは、大学に入ってからは朝型か夜型かについても質問しています。
大学になると夜型にシフトする人もいるようですが、3割の人が大学でも朝型だと答えています。
小さいころにできた生活習慣は、その後の学習スタイルにも影響していくことが分かります。
東大生の親が小学校時代に心がけた3つのポイント
親はどんなことを気をつければいいの?
規則正しい生活は当たり前だけど
受け入れること、見守ることも大事だよ
小学生の頃から何かに熱中し、規則正しい生活を送っていた東大生。
その間、親が心がけていたポイントは以下の3つです。
受け入れる
子どもの興味を大事にしてあげよう
熱中していることは可能な範囲で支援!
行きたい、やりたいは
できるだけ叶えてあげよう…
東大生を育てた親に共通する事が、子どもの興味に一緒に向き合い、熱中体験を支援していく姿勢です。
幼稚園時代は、休日の朝に母親を起こしてレンタルビデオ店に連れていってもらい、電車のビデオを借りまくる。
ビデオを見たら、今度は父親に電車の見える場所に連れていってもらい、えんえんと電車を見る。
そんなことを繰り返していた記憶があります。
子どもが物事に過度に熱中していると、止めたくなる人も多いかもしれません。
しかし東大生を育てた親には、子どもが熱中するものがあったらそれを受け入れ、できる範囲で応援・支援してあげていたという人が多いです。
子どもが見たいと言った本やビデオを用意したり、行きたい場所に連れていったりすることで、子どもの興味を掘り下げることができます。
本の中で見たものは実際に目で見るとどうなのか、自分自身で体験をさせることでさらに学びが深まります。
見守る
子どもが何かに夢中になっているとつい「勉強に関係ないことばかりで困る」「勉強に夢中になってほしい」と思ってしまう方も多いでしょう。
しかし東大生を育てた親が心がけていたことは、子どものやりたいことを見守ることです。
子どもが何かしたいのかが分かったら、それを見守ってあげることが大切です。
もちろん、ただ近くで見ていればいいという訳ではありません。
子どもの好きな事に関する話を聞いてあげたり、自分もその事柄を勉強をしたりすることで、「見守っている」という安心感が子どもに伝わるようになります。
安心感が得られれば子どもはのびのびと物事を学ぶようになりますし、親子間のコミュニケーションも活発になります。
先を見越した支援
親が子どもを導いてあげるよう
でも強引にしてはだめだよ!
子どもの意見を尊重しないとね
小さい頃をなんとなく過ごしていた場合、大きくなってから東大に入れるという人は余程の天才でないと居ないはずです。
東大に入った人の多くは、小学校時代に塾に通っている子が多かったことが調査でもわかっています。
つまり小学校時代からの親の意識、取り組みが非常に大切だということです。
小学生低学年の子どもは将来のビジョンが曖昧な上、「東大」という存在も知らない子のほうが多いでしょう。
子どもが嫌がることを強引にやらせることはよくありませんが、「子どもを伸ばしたい」という気持ちのもと、親が子どもを導いていくことが不可欠です。
まずは親が先を見越し率先して支援を行っていくことで、子どももその気持ちに気づき、相乗効果が生まれていきます。
東大生の小学校時代を参考にして楽しく学んでいこう
子どもの探究心を大事にしてサポート
することが東大への第一歩だね
参考にしなきゃ!
東大生の小学校時代に共通していることは、子どもの探求心を親が積極的に支援していることです。
子どもが「もっと知りたい!」と思うことに対し、親子で一緒にアプローチすることにより、知る事や熱中することの楽しさや勉強の楽しさを覚えていきます。
そして子どもはどんどん視野を広げていき、色々な知識を身につけていくのです。
その感覚が将来の学生生活における大きな武器になり、財産にもなります。
また親が子どもを支援し寄り添うことで、信頼関係の向上にもつながります。
東大生の小学校時代の生活習慣や親の心がけを参考にし、親子で楽しく学んでいきましょう。
コメント