勉強の習慣はどう作る?小学校低学年から始める、勉強の習慣化とは?

勉強の習慣はどう作る?小学校低学年から始める、勉強の習慣化とは? 勉強方法

学年が上がるにつれて勉強は難しくなっていくため、自主学習の習慣が不可欠になります。

受験に立ち向かう力をつけるためにも、子どもには早いうちから勉強習慣をつけてあげたいものです。

しかし子どもだけの力で勉強の習慣を身につけるのは非常に難しいです。

実際に厚生労働省の「第8回21世紀出生児縦断調査結果の概況」によると、母の家庭学習への関わりが「よくある」方が学校以外で勉強する時間が長いという結果が出ています。

母の家庭学習への関わりが「よくある」方が学校以外で勉強する時間が長い。

子どもがふだん学校以外で勉強する時間(宿題や学習塾などの時間を含む)について、母の家庭学習への関わり方別にみると、すべての関わり方で「よくある」方が勉強する時間が長くなっている。

引用元:厚生労働省「第8回21世紀出生児縦断調査結果の概況」

つまり親の働きかけが大切だということ。

今回は子どもの勉強習慣をつけるために必要なこと、何も言わなくても自分から勉強する子に育てるための3つの方法を解説します。

このページの要点をざっくりいうと

このページの要点をざっくりいうと

小学生のうちから勉強習慣を身につけることで、学習面でリードできる、勉強を日常の一部にできる等のメリットがあります。

実際に勉強の習慣を身につけさせるには、やることリストを作ること、勉強の環境づくりをすること、子どもの好きな科目から取り組ませることが効果的です。

親が勝手に決めるのではなく子どもの意見を取り入れて環境を整えることで、親子の信頼関係が育まれるとともに、子どもの自主性を育てることができます。

小学生のうちに勉強習慣を身につける3つのメリット

小学生のうちに勉強習慣を身につける3つのメリット

早いうちに勉強習慣を身につけると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット3つについて、具体的に解説をしていきます。

勉強が嫌いになる前だから身につきやすい

勉強が嫌いになる前だから身につきやすい

学年が上がると学習内容が難しくなり、つまづく問題が出てくる事があります。

宿題の問題が分からなかったり、学校の授業で理解できない単元があったりすると、どうしても勉強に対する負の感情が生まれます。

自主学習についても「分からないからやりたくない」「できないから嫌だ」と考えるようになり、勉強の習慣づけが難しくなります。

勉強の内容が苦手になってからの習慣付けは、まずは苦手を克服することから始めなくてはいけないため、習慣付けまでに手間と時間が必要になります。

しかし小学校低学年の学習内容はごく基本的な内容が多いですので、内容が分からないことが原因で勉強が嫌いになる事はほぼありません。

もちろん低学年で勉強が嫌いな子は多いですが、その理由は勉強することが単に面倒である、ゲームなどをやりたい等、学習内容の難しさ以外の要因から生まれるものです。

「やっている内容が分からないから勉強したくない」という子は少ないため、低学年の頃が一番勉強の習慣付けがしやすいです。

自分で考えたり調べたりする事の習慣付けも意識することで、難しい問題が分かる喜びも身につけられるので、高学年になっても難しい問題に自力で取り組める子になります。

勉強を日常の一部にできる

勉強を日常の一部にできる

早いうちから勉強を習慣付けすることで、勉強を生活の一部にできます。

例えば子どもの毎日の生活において、お風呂や歯磨きのタイミングはおおよそ決まっていますよね。

小さい頃は歯磨きを嫌がる子が多かったと思いますが、小学生になると歯磨きは当たり前だと考えている子のほうが多いでしょう。

早いうちから勉強を習慣付けすることで、子どもにとって勉強が歯磨きや食事などと同じく生活の一部になり、毎日勉強することが苦痛でなくなっていきます。

東大主席卒・NY州弁護士の山口真由氏は、勉強する時間を安定させることで繰り返しのサイクルが身に付き、勉強が苦でなくなると述べています。

勉強ははじめることや集中力が切れた後に続けることがつらいので、あらかじめ自分が集中できる時間帯を見極め、そのときに抵抗なくはじめられるようにしておけば苦痛が軽減されます。

勉強はなるべく楽に、自動化したほうがいいのです。

引用元:StudyHacker「学力向上は生活習慣の確立と時間の使い方で勝負が決まる 東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー」

「おやつの後に勉強する」「夕食前の○分を勉強にあてる」など、子どもが集中できそうな時間に勉強を組み込むと、いずれはそれが当たり前になり、抵抗なく自動的に勉強に向かえます。

学力面で一歩リードする

学力面で一歩リードする

普段勉強する習慣がついていない子でも、テストや受験前には勉強をします。

範囲が狭い計算テストや漢字テストなどはそれで充分かもしれませんが、範囲が広いテストの場合、テスト前だけの勉強では間に合わないこともあります。

入試勉強の場合、最高学年になったのをきっかけに始める子も珍しくはありませんが、勉強開始が遅いと成果が出るのも遅く、結局志望校を受けられないという例も。

特に算数は低学年からの積み重ねが必要な科目ですので、直前に頑張っただけでは成果は出ません。

しかし学習習慣が身についていれば、低学年のうちから積み重ね科目の土台をしっかり固めることができます。

奈良教育大学教育研究所の行った調査でも、成績上位層は毎日勉強をする習慣がついている子が多いということが明らかになっています。

小学校2、4、6年生でIQ、国語、社会、算数、理科のそれぞれの成績が上位の者と下位の者について、家庭における学習習慣を比較した。

平均値では、生活習慣、宿題・復習・予習および勉強の仕方が成績と関係があり、特に6年生で顕著であった。

引用元:奈良教育大学教育研究所「小学生の学業成績と家庭における学習習慣の関係」

小学生に勉強習慣を身につけさせる3つの方法

小学生に勉強習慣を身につけさせる3つの方法

それでは小学生に勉強習慣をつけさせるには、具体的にどのような事をすればいいのでしょうか?

勉強習慣のための具体策を3つ紹介していきます。

やることリストを一緒に作る

やることリストを一緒に作る

低学年の子はまだ自分でやる勉強を決められない事が多いです。

「宿題以外にも勉強をしようね」と話をしても、具体的にどの科目のどのページをやればいいのかをは自分で判断できません。

そこでオススメしたいのがやることリストを作ることです。

子どもが毎日やることをマグネットにしてホワイトボード等にはりつける「おしたくボード」などを作った経験がある方もいるかもしれません。

それと同様に勉強の「やることリスト」も小さいホワイトボード等を使うのがオススメです。

毎日書きかえができますし、家族で計画の共有ができます。

無理なく毎日続けられる計画を子どもと一緒に考えるようにしましょう。

無理がない計画を立てることで達成感を味わいやすくなり、勉強がどんどん好きになっていきます。

学習量を増やすのは勉強を好きになってからで遅くありません。

また計画は必ず子どもと話し合って決めましょう。

低学年の子の場合「親が決めてあげなくては」とつい一方的に決めてしまいがちですが、子どもにも意見はあります。

中学校に入る前に子どもとの信頼関係を築かないと、学習に支障が出ることも分かっています。

親子相互の信頼感において、子どもの学校適応に影響を与えているのは子が親に抱く信頼感の方であり、親が子に抱く信頼感は関連が認められなかった。

引用元:教育心理学研究「中学生の親および親友との信頼関係と学校適応」

子どもも自分の意見が尊重されると嬉しくなり、勉強のやる気にも繋がることでしょう。

集中しやすい環境を作る

集中しやすい環境を作る

毎日の勉強を習慣づけるには、環境を整えることも重要です。

子どもが集中しやすい場所を見つけたり、体にあった机や椅子を用意したりなど、毎日勉強をすることが苦痛にならない環境を大人が準備してあげましょう。

勉強場所については「リビング学習が子どもにいい」など様々な情報を見かけることが多いと思いますが、実際に重要なのは自分の子どもに合っているかどうかです。

計画を立てる際と同様に子どもの意見を聞き、そして実際に勉強する様子を見ながら臨機応変に考えていきましょう。

また「勉強を日常の一部にできる」の項目でも紹介した通り、勉強の時間を決めるのも環境づくりの一つです。

おやつを食べたら始める、帰宅後30分経ったら始めるなど、毎日の生活に組み込める勉強スケジュールを子どもと一緒に決めてください

大人が勝手に決めると、子ども側はどうしても「押し付けられている」という気持ちが生まれ、反発します。

親と自分が決めて納得した」ルールのほうが子どもも素直に受け入れてくれます。

好きな教科を見つけて伸ばす

好きな教科を見つけて伸ばす

小学生で「勉強が大好き!」という子はあまりいません。

子どもの周りにはゲームやテレビなど、勉強よりも魅力的なものがたくさん存在するため、そちらを優先したくなるのは仕方がない事です。

親が勉強をすることの意義、勉強の素晴らしさについて話しても、低学年のうちは完全に理解できません。

そのため低学年の子に勉強をやらせるには、勉強に関する何かを「好き」と思わせ、夢中にさせることが一番おすすめです。

何の科目でも構いませんので、好きな科目・分野を見つけ、それに取り組ませましょう。

好きなことを勉強することで周りから褒められ、成功体験が積み重なります。

成功体験や他人からの賞賛は、子のやる気や自分自身を信じる心(自己効力感)を喚起させます。

自己効力感を高める方法として、「子どもの自己選択場面を多く設ける」「子どもが成功体験を積み重ねられるように配慮する」「できるだけ子どもを称賛する」「自己評価を用いる」「ピグマリオン効果を利用する(子どもへの期待が他者受容感と自己効力感を高める)」などを挙げている。

引用元:ベネッセ教育総合研究所「自己効力感が高い小・中学生はどのような子どもか」

勉強を通して物事を知る楽しさ、できる喜びを体感できるので、自ずと勉強の習慣がつくようになり、次第に他の科目にも興味が向かいます。

しかし中には好きな科目や分野が見つからない、という子どももいると思います。

偉人や歴史の漫画などの手軽に読める本などを用意したり、子ども向けの科学館や研究館に連れていくなど、遊びを入口にして勉強へ興味を向けさせるのも一つの手です。

小学生の勉強習慣をサポートしよう

小学生の勉強習慣をサポートしよう

小学生に勉強の習慣をつけさせるためには、親のサポートが必要不可欠です。

ただ親が一方的にルールを決めるのではなく、子どもと一緒に話し合って決める事が非常に大切です。

親が決めた事に子どもは素直に従うかもしれませんが「強引に決められた」という意識が残るため、長続きしません。

何事も子どもの意見を尊重して決めてあげましょう。

そして次第に子ども自身が考える分量を増やし、親はサポート役に徹することで、最終的には自分でスケジュールを組んで勉強ができるようになります。

自分から勉強する子どもにするために、適切で的確なサポートを心がけていきましょう。

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