うちの子供、なんだか勉強にやる気が湧かないみたい…
「勉強して」って言わないと机に向かわないし。
こんな時、子供のやる気スイッチを押せる良い方法はない?
家に帰ってなかなか勉強しないと、テストや成績が心配になるよね。
今回は、子供のやる気をUPさせる方法を解説するよ!
学習内容の定着のためには、自宅での学習習慣が非常に重要です。
そのためには子ども自身の勉強へのやる気が不可欠。
しかし「やる気を出させる事が難しい」「きつく言わないと勉強しない」等、子どものやる気についてお悩みの方も多いでしょう。
小学生は一体なぜ家での勉強を嫌がるのでしょうか。
アンケート結果をもとに、その原因や具体的な解決策を紹介していきます。
また実際に勉強へのやる気を出させるには、一体何をすればいいのでしょう。
子どもの『勉強やる気スイッチ』を効果的に押すためのNG行動、心がけたいこと、具体的な対処法を紹介します。
小学生のうちだけでなく、中学・高校・大学進学後の未来を見据えた解決策を解説していきます。
このページの要点をざっくり言うと
子供のやる気は褒めることや達成感を味あわせてあげるように環境づくりすることで、引き出すことができます。
一方で親の都合で無理やり押し付けたり、感情的にやらせようとすると子どもは反発し、逆効果になってしまいます。
中学・高校と成長し子どもが自発的に物事を考えられるようになるために、やる気を出させる取組を親子で行っていきましょう。
勉強のやる気が出る時ってどんな時?
子供って、どんな時にやる気が湧くのかな?
実は、「授業が分かった時」「先生に褒められた時」など、
成功体験を得られたタイミングでやる気が出やすいんだ!
まず小学生にとって、実際に勉強のやる気がでる時というのは、具体的にどのような時なのでしょう。
国立教育政策研究所の学習意欲研究会が行った「学習意欲に関する調査研究」のアンケートによると、小学生が「とてもやる気になる」「やる気になる」時の上位5つの結果は以下のようになっています。
授業が分かった、おもしろい、先生にほめられたなど、実際に学校での授業を通して得た達成感、つまり成功体験が上位を占めていることが分かります。
この授業で得られた成功体験をずっと持続できればよいのですが、実際にそのようなお子さんはごく一部です。
小学生が勉強をやる気にならない3つの理由
うちの子、何でやる気になれないんだろう?
勉強にイヤなイメージがあると、やる気もわきにくいよね…
学校での授業がよく分かったり、面白かったりしても、それが自宅での勉強のやる気に生かせるわけではないのです。
それではなぜ小学生は勉強をやる気にならないのでしょうか。
小学生が自分から勉強をやる気にならない理由としては、主に以下の3つが挙げられます。
勉強に対する嫌なイメージ
勉強が大好き!というお子さんは非常に珍しいです。
成績の良し悪しに関係なく、ほとんどの子どもは勉強に対して「面倒くさい」「辛い」等、ネガティブなイメージを持っています。
その原因の一つとして、宿題や自主学習を毎日やるべきだという考えを子どもに押し付けている事が挙げられます。
これは保護者に限った話ではありません。
小学校の場合、毎日一定時間の自主学習をやるよう生徒に指示している学校も多く見受けられます。
時間の目安は15分×学年数であったり、10分×(学年数+1)であったりと学校によってさまざま。
子ども自身は他のことがしたいにも関わらず、学校や親の指示に従って我慢して勉強をすると、勉強を強制されていると感じ、ネガティブなイメージを抱くようになります。
勉強の内容自体に嫌なイメージを抱く子もいます。
例えば漢字の暗記、書き取りなどは手が疲れるから嫌だ、退屈だと感じる子が多いです。
また問題が子どもにとって難しいものだった場合、考えても分からない事が「辛い」という勉強への悪いイメージを植え付ける原因となります。
家のなかには誘惑がたくさんある
スマホにマンガ、ゲーム…確かにこの状況でやる気をキープするのはしんどいかも
遊ぶ時間を決めていても、気になってしまうもの。
友達と遊ぶのもなかなか断りづらいよね
マンガやテレビ、ゲームなど、自宅の中は誘惑にあふれています。
保護者世代が子どもだった頃に比べ、子どもを取り巻く誘惑は非常に強力になっています。
例えば近年ではインターネットの発達により、YouTubeなどで多種多様な動画が観られるようになっています。
放送時間がはっきり決められているテレビとは違い、好きな時に好きな動画を好きなだけ流せますので、時間を忘れて夢中になってしまいます。
また子どもにとってはゲームも非常に強い誘惑です。
最近はオンラインに対応するゲームが増えました。
一緒にゲームをするために友達の家に行き来する必要がなく、自宅にいながら対戦や協力プレイが可能です。
本人が今日は勉強しようと思っていても、友達からゲームに誘われたら果たして断れるでしょうか?
受験や大きなテストを控えている子であれば、勉強を理由にきっぱりと断れるかもしれません。
ですが小学生のうちは友達の誘いを断ることは極めて困難でしょう。
楽しい事を目の前にして、勉強に意識を向ける事は難しいです。
なんで勉強するのかわからない
中学・高校生になると、将来のことについての現実的なビジョンを考えられるようになり、その未来への意欲を勉強に向けられる様になります。
実際に先述の「学習意欲に関する調査研究」のアンケートにおいて、「とてもやる気になる」「やる気になる」時の状況の結果は、中学生・高校生ともに「将来つきたい職業に関心を持ったとき」が3位にランクイン。
「将来行きたい学校がはっきり決まったとき」は中学生で5位、高校生では4位になっています。
しかし小学生で特に低学年の場合、自分の将来への道筋を描くことはまだ難しいです。
「医者になりたい」「花屋になりたい」等、将来の夢が決まっている子どもは多いですが、その職業に就くための方法までは意識していないため、その夢と勉強を結びつけられません。
勉強をすれば何かいいことがあるのか、何が起こるのかを自分で考えられる子どもも稀です。
勉強を頑張った後の事が漠然としているため、勉強へのやる気を起こすことができません。
小学生の『勉強やる気スイッチ』を破壊する!3つのNG対応
では子どもの勉強やる気スイッチを押すにはどうすればいいのでしょうか。
具体的な対策を確認する前に、子どもに対するNG行動をおさらいしましょう。
子どもの勉強やる気スイッチは繊細で、取扱いを間違えるとスイッチが壊れて勉強嫌いになってしまうためです。
イライラをぶつける、感情的に怒る
こんなに教材も環境も用意してあげてるのに、何で勉強できないの!?
イライラをぶつけてしまうと、子供の中でますます
「勉強=嫌なこと」「自分は出来てない」という考えが深まってしまうよ…
子どもを感情的に叱ることにより、自己肯定感が失われて「自分はダメな人間なんだ」と思うようになり、円滑な対人関係を築くことが困難になると言われています。
また強く叱りすぎることにより、子どもの脳に悪影響を与えるということも分かっています。
しかし感情的になってはいけないと思っていても、いざ勉強しない子を目の前にするとどうしてもイライラしてしまう…という方も多いのではないでしょうか。
そのような方は、まずは叱り方を変えることから始めてみましょう。
まずは叱る時間を短めにすることです。
長く叱った場合、子どもは叱られた内容より「長く叱られた」という苦痛のほうが強く印象に残ります。
過去のことを掘り返さず、端的に叱ることを心がけましょう。
できるだけ感情の波は一定に保つことが理想ではありますが、実際には難しいものです。
叱ってイライラが収まった後に罪悪感に苛まれる方もいるでしょう。
どうしても感情的になってしまった時は、心が落ち着いた後で子どもにフォローを入れましょう。
「さっきはイライラしてごめんね」と謝るだけでも、お互いの心の負担が軽減されるはずです。
勉強を「子どもの義務」だと押し付ける
日本では小中学校の9年間が義務教育として定められており、授業で使用する教科書は国から無償で提供されています。
勉強は子どもの義務だと考え「義務だから勉強しろ」と子どもに勉強を押し付ける事も、勉強やる気スイッチを破壊する原因となります。
義務教育の義務とは日本国憲法における「子どもに普通教育を受けさせる義務」のことで、大人が守るべき義務を指しています。
子どもにとっては教育を受けることは法律上ではあくまでも「教育を受ける権利」ですので、実は義務ではありません。
また、勉強を押し付ければ押し付けるほど子どもは反発する傾向があります。
これは心理学で「心理的リアクタンス」と呼ばれている理論で、行動を強制されると反発したくなるという心理が働いてしまうのです。
そのため、子どもに勉強を押し付けようとするのではなく、どうやってやる気を育てるか、いかに子どもを勉強に向かわせるかを考えましょう。
自分の思い通りにしようと誘導する
ゲームは悪影響だから捨てる!友達との遊びも禁止。
家の中には学習に役立つ本しか置かないようにしようっと
子供にやる気になって貰うことは大事だけど、生活をコントロールするのはNG!
あくまでも、自分で「勉強したい」と思うことが大事だよ。
子どもを勉強に向かわせるようにと先述しましたが、これは子どもをコントロール・支配をしろという事ではありません。
米バージニア大学のEmily Loeb氏の研究によると、親が支配的であった場合、子どもは単独行動が苦手で自分で考える能力が低く、自主性を持たずに成人になるという事が明らかになっています。
親が支配的でない子と比べ、学業成績も低かったという結果も出ています。
また子どもの自主性を育てることは、今後の学習過程においても極めて重要です。
2020年から新学習指導要領の実施が始まっており、小学校においては通信簿の「関心・意欲・態度」の項目が「主体的に学習に取り組む態度」という文言に変わっています。
また今年度より大学のセンター試験が共通テストへと変更になりますが、共通テストではこれまで身に着けた知識をもとに主体的に資料の考察をしたり、解決方法を考える問題が多く出題されると予想されています。
つまりマニュアル的な学習ではなく、主体性が問われる時代だという事です。
子どもを支配せず、主体性を育てるということが子どもの為に非常に重要だという事が分かりますね。
小学生の『勉強やる気スイッチ』の効果的な押し方
それでは実際に小学生が勉強を自分からやるようになるにはどうすればいいのでしょう。
まずはやる気スイッチを見つけ、それを効果的に押していくことです。
最初は難しいかもしれませんが、スイッチの効果的な活用法が分かれば子どもが自分でやる気を発揮できるようになります。
そのための具体策を紹介していきます。
やる気を出すための環境づくり
子供と話し合ってルールを決めさせたら、やる気をキープ出来そう!
禁止したり無くすんじゃなく、ルールを守って楽しむことが大切だよ!
家の中には子どもにとって沢山の誘惑がありますが、勉強しないことを理由に排除や規制をすることは逆効果。
ストレスが蓄積され、逆に勉強に取り組めなくなります。子どもが勉強に効果的に取り組める環境を作ってあげましょう。
まずはゲームの場所、動画を観る場所等のルールを作ることです。
低学年の子どもは集中力があまりありません。
娯楽が視界に入ると、どうしてもそちらに意識が行きます。
勉強に取り組む間はできるだけ集中できるよう環境を整えましょう。
低学年の子どもの場合、一人で勉強部屋にこもって勉強するのは難しいため、親が目に届く場所で勉強ができるリビング学習が好ましいです。
低学年の子は親と一緒のほうが落ち着く傾向がある点、勉強を日常の一部にするという点でもリビングでの勉強がオススメです。
娯楽などは時間を決めて楽しませましょう。
重要なのは親が時間を指示するのではなく、子ども自身に決めさせる事。
先程の「小学生の『勉強やる気スイッチ』を破壊する!3つのNG対応」でも紹介した通り、強制するのは逆効果です。
子ども自身に考えさせることで主体性が育ち、自分の時間を意識するようになります。
達成感を味わう経験を与えてあげよう
最初に「成功体験がやる気に繋がる」という話をしたよね。
家庭学習でも、成功体験が大事なんだ!
ちゃんと褒めてあげたり、声を掛けることが大事なのね!
目的のない勉強は子どもにとって退屈でしかありません。
やる気を出させるには勉強の「ゴール」つまりご褒美や達成感が必要です。
ご褒美と言っても、物や小遣いではありません。
確かに物やお金をご褒美にすると子どもはやる気を出しますが、勉強自体へのやる気ではありませんので長続きしません。
年齢が上がるにつれ、物がないとやる気を出さない子になる恐れもあります。
子どもは褒めるだけでもやる気になります。
「学習意欲に関する調査研究」によると、父親に勉強のことでほめられたとき、90%近くの小学生が「とてもやる気になる」「やる気になる」と回答しています。
褒めるのは些細な事で構いません。
字が上手になった、計算が少し早くなった等、子どもが前より良くなったと感じることを伝えてあげましょう。
また、子どもは大人が思うよりも集中力が続きません。
小学校低学年の場合、集中力が続くのは15分程度だといわれています。
時間を細かく区切り、子どもに無理のない勉強に取り組ませましょう。
勉強する目的やメリットを子どもと一緒に考える
勉強のメリットをイメージすることは出来るけど、
低学年の子にどうやって伝えれば…
それなら、子どもと一緒に考えてみるのはどうかな?
褒めることは子どものやる気を出すのに効果的ですが、本来勉強は誰かに褒められるためにやる物ではありません。
勉強するのは自分のためであることを子どもに意識させていきましょう。
勉強することでどの様な良いことがあるのか、低学年の子どもはまだ知りませんし、自分でイメージもできません。
勉強すれば将来どうなるのか、自分にとって何が良いのかを話し合い、理解させることが重要です。
憧れの職業があれば、その職業に就くためまでの道筋を易しい言葉で話してみて下さい。
将来の夢が決まっていない場合でも、夢を叶えるためにはいずれ勉強をしなくてはいけないという事を子どもに知ってもらいましょう。
小学生のうちに『勉強やる気スイッチ』を親子で共有しておこう!
今は親の言う事に素直に耳を傾け、言うことを聞いてくれる子どもでも、中学生・高校生になると親への態度が180度変わってしまう事は珍しくありません。
そうなると保護者の助けが届かなくなり、勉強のやる気スイッチは子ども自身で探して押す事になります。
子どもが親の意見を聞かず自分自身で考えて行動するようになる前に、親が勉強へのやる気スイッチを見つけ、効果的な押し方を発見しておくことが重要です。
そして子どもが高校や大学に進学しても自分自身でやる気を出せるよう、スイッチの押し方を今のうちから共有しておきましょう。
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